毎日磨くのにむし歯になりやすい人の特徴とは?原因と予防策を解説|堺市の歯医者|ふじもと歯科

〒590-0077
大阪府堺市堺区中瓦町2-3-14
パーターさかもと銀座ビル2階

ブログ BLOG

毎日磨くのにむし歯になりやすい人の特徴とは?原因と予防策を解説

毎日磨くのにむし歯になりやすい人の特徴とは?原因と予防策を解説

毎日きちんと磨いているのに、どうしてむし歯を繰り返すのでしょうか


食後の歯磨きは欠かしていない。それなのに、検診でまたむし歯が見つかった——そんな経験に肩を落とす方は少なくありません。むし歯のできやすさには、唾液の性質や飲食の回数、歯並び、過去の治療痕といった、歯磨き以外の要因も関わると考えられています。むし歯になりやすい人の特徴を知ることが、繰り返しを見直す第一歩になります。 この記事では原因の整理から、ご自身とお子様のために今日から見直せる予防のポイントまでを解説します。


この記事の要点まとめ


  • むし歯のなりやすさには唾液量や間食回数、歯並び、治療歴など歯磨き以外の要因も関わると考えられています
  • 歯ブラシが届きにくい部位や家族間の生活習慣の共有が、繰り返しの背景になる場合があります
  • フッ素の活用や間食の見直し、歯科医院での定期的な確認を組み合わせることが予防の目安になります


毎日磨いてもむし歯になりやすい人に共通する主な特徴


むし歯は「歯磨きの回数」だけで決まるものではありません。お口の中の環境、飲食のタイミング、そして過去に治療した歯の状態。この三つが重なると、丁寧にブラッシングしていてもリスクが残る場合があります2。まずはご自身に当てはまる要素がないか、順に確認してみましょう。


唾液の分泌量が少ない・口呼吸による口腔内の乾燥


唾液は単なる水分ではなく、お口を守る役割を担っています。食べかすを洗い流す自浄作用、酸性に傾いた口内を中性へ戻す緩衝作用、そして溶け出したミネラルを歯へ戻す再石灰化の働き。唾液の量や質は、むし歯のなりやすさを左右する要因のひとつと考えられています3


分泌量には個人差があり、加齢や服用中のお薬、水分摂取の少なさ、ストレスや睡眠不足でも低下することがあります。さらに見落とされやすいのが口呼吸です。鼻炎や口元の筋力の問題で日常的に口が開いていると、前歯を中心に乾きやすく、唾液の働きが届きにくくなります。朝起きたときに口がネバつく、喉が渇いている——そんな方は、就寝中の口呼吸を疑ってみる価値があります。


間食の頻度が多い・だらだら食べによる酸性環境の持続


飲食をすると、お口の中は一時的に酸性へ傾き、歯の表面からミネラルが溶け出します(脱灰)。その後、唾液の働きで少しずつ元へ戻っていく(再石灰化)。この繰り返しのバランスが崩れたとき、むし歯が形になっていくと考えられています2


意識したいのは「何を食べたか」だけでなく「何回、どのくらいの時間をかけて口に入れたか」。たとえば同じ量のお菓子でも、一度に食べ切る場合と、仕事の合間に少しずつつまむ場合とでは、酸性に傾いている時間がまるで違います。甘い飲みものやスポーツドリンク、酸味の強い炭酸水などを机に置いて少しずつ飲む習慣も、同じ理由で注意が必要です。回数を減らし、口の中が休む時間を確保することが、脱灰と再石灰化のバランスを保つ鍵になります。


過去の詰め物・被せ物の境目から生じる二次むし歯


大人のむし歯で意外に多いのが、治療済みの歯に再び生じる「二次カリエス(二次むし歯)」です。詰め物や被せ物は年月とともに接着面がわずかに劣化し、歯との境目に段差や隙間が生まれることがあります。そこへ細菌が入り込むと、外からは見えにくい内部で進行してしまうケースもあります。


気をつけたいのは、被せ物の下では痛みが出にくいこと。気づいたときにはある程度進んでいた、というのも珍しくありません。治療を重ねた歯ほど残っている歯質は少なくなりますから、早い段階での把握が大切になります。過去に何本も治療した経験がある方は、それ自体がむし歯リスクの高さを示すサインと捉え、定期的なチェックを習慣にしておきたいところです。


【よくある誤解】歯磨き回数だけでは防ぎきれないむし歯リスクの背景

【よくある誤解】歯磨き回数だけでは防ぎきれないむし歯リスクの背景

「毎食後に3回磨いているのに」という声を、当院でもよくお聞きします。回数を増やす努力はとても大切。ただ、それだけでは補いきれない背景があることも知っておくと、対策の方向性が定まりやすくなります1


「磨いている」と「磨けている」の違いと磨き残しやすい部位


歯ブラシの毛先が届く面は、歯の表面全体のおよそ6割程度といわれます。残りは歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、そして奥歯の噛む面にある細い溝。むし歯の多くは、この「毛先が届きにくい場所」から始まると考えられています3


とくに歯並びに重なりやねじれがある部分は、時間をかけても毛先が入りづらく、汚れが残りやすくなります。噛み合わせのバランスによって特定の歯に負担が集中していると、そこに小さなヒビが入って汚れが留まりやすくなることも。歯磨きの「時間」ではなく「どこに当たっているか」へ意識を向け直すと、見えてくるものが変わります。


家族間でのスプーン共有や生活環境の共有による菌の伝播


むし歯の原因菌は、生まれたときからお口にいるわけではありません。主に周囲の大人との接触を通じて、少しずつお口の中に定着していくと考えられています4。スプーンや箸の共有、食べものの口移し、同じコップの使い回しなどが経路として挙げられます。


ただ、ここでご自身を責める必要はありません。菌がいること自体よりも、その菌が活動しやすい環境(糖分の摂取頻度、清掃状態、唾液の量)が続くかどうかが重要と考えられているからです。むしろ「家族で似た食習慣・生活リズムを共有している」ことのほうが、リスクを共通させる要因になりやすいといわれます。だからこそ、お子様だけでなく保護者の方も一緒に口腔ケアへ取り組む意味があります。


妊娠期や更年期などライフステージに伴う唾液や体質の変化


女性のお口の環境は、ライフステージによって変化することがあります。妊娠期はホルモンバランスの変動に加え、つわりで歯磨きがつらくなったり、少量ずつ何度も食べる習慣になったりと、条件が重なりやすい時期。産後は育児に追われ、ご自身のケアが後回しになりがちという声もよく耳にします。


また更年期以降は、ホルモンの変化や服用中のお薬の影響で唾液の分泌が減る場合があります1。血圧のお薬、抗アレルギー薬、抗うつ薬などには口渇を伴うものもあります。体調やライフステージが変われば、必要なケアの内容も変わるという視点を持っておくと、「以前と同じ磨き方なのに」という戸惑いにも納得がいくはずです。


ご自身とお子様のお口を守るセルフケア見直し基準


ここからは、今日から手をつけられる具体策を整理します。道具を増やすことがゴールではありません。「使い方」と「タイミング」を少し変えるだけでも、お口の環境は変わっていくことが期待できます2


フッ素配合歯磨き粉やデンタルフロスの具体的な活用手順


フッ素(フッ化物)には、歯質を強くし、再石灰化を助ける働きが期待されています2。市販の歯磨き粉を選ぶ際は、パッケージのフッ化物濃度の表示を確認してみてください。成人向けでは1450ppmの製品が広く流通しています。年齢によって推奨される濃度と使用量は異なるため、お子様の分は年齢に応じたものを選びましょう4


ポイントは「フッ素をお口に残す」こと。磨いた後に何度もうがいをすると、せっかくの成分が流れてしまいます。少量の水で1回程度に留め、その後30分ほどは飲食を控えると、成分がとどまりやすくなるといわれます。


そして歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間には、デンタルフロスや歯間ブラシを。1日1回、夜のケアに組み込むだけでも清掃できる範囲が広がります。フロスは無理に押し込まず、のこぎりを引くようにゆっくり入れ、歯の側面に沿わせて上下に動かすのがコツです。


酸性の時間を短くする間食ルールとキシリトールの取り入れ方


「甘いものを完全にやめる」のは現実的ではありません。目指したいのは、口の中が酸性になっている時間の合計を短くするという考え方です。おやつは時間を決めてまとめて楽しみ、その後は水やお茶を飲む。ペットボトル飲料をだらだら飲む習慣がある方は、置き場所を変えるだけでも回数が減ります。


補助として役立つのがキシリトール。むし歯原因菌の栄養源になりにくい甘味料で、ガムを噛むこと自体が唾液の分泌も促します。選ぶ際は、甘味料に占めるキシリトールの割合が高い製品を確認してみてください。あくまで歯磨きの補助という位置づけですが、外出先で歯磨きができないときの選択肢として現実的です。


お子様の歯を守る仕上げ磨きの工夫とチェックポイント


乳歯や生えたての永久歯はエナメル質が薄く、成熟した大人の歯に比べて酸に溶けやすい性質があります4。とくに6歳前後に生えてくる第一大臼歯は、背が低く溝が深いため磨き残しが生じやすい歯。生えそろうまでの期間は、歯ブラシを横から入れて溝に毛先を当てる意識を持つと届きやすくなります。


仕上げ磨きは、小学校中学年ごろまで続けられると望ましいとされています。7歳のお子様なら、まずご本人に磨いてもらい、保護者の方が上の前歯と奥歯の噛む面を中心に確認する形が続けやすいでしょう。4歳のお子様は膝の上に寝かせて、明るい場所で短時間に。長くやろうとするより、毎晩の習慣として定着させるほうが続けやすくなります。当院には管理栄養士も在籍しており、おやつの内容や与え方についてもご相談いただけます。


歯科医院でのプロフェッショナルケアと定期管理の役割


どれほど丁寧にセルフケアを行っても、ご自身で確認できる範囲には限りがあります。専門的なケアは、その足りない部分を補い、変化を早い段階で把握するための仕組みです23


専門的なクリーニング(PMTC)と高濃度フッ素塗布


歯の表面に付着した細菌の膜(バイオフィルム)は、ある程度成熟すると歯ブラシの毛先だけでは落としきれなくなるとされています。歯科医院で行う専門的なクリーニング(PMTC)では、専用の器具とペーストを用いて、歯と歯の間や歯ぐきの境目まで機械的に清掃します。日常のケアと専門的清掃は役割が異なり、どちらか一方では補いきれません。


あわせて行われるのが、歯科医院で扱う高濃度のフッ化物塗布です。市販品より濃度が高く、歯質へ働きかける処置として位置づけられています2。むし歯のできやすさに応じて、塗布の間隔をご提案しています。


拡大鏡を用いた微小な病変や詰め物の適合状態の確認


二次むし歯や初期の変化は、肉眼だけでは判断が難しいことがあります。当院では拡大鏡を用い、詰め物と歯の境目に生じたわずかな段差や、エナメル質表面の色調変化を確認しています。視野を拡大することで、これまで見過ごされやすかった小さなサインに目を向けやすくなります。


必要に応じて歯科用CTや口腔内スキャナー(iTero・プライムスキャン)による記録も活用し、お口の状態を画像でご説明しています。ご自身の目で状態を確認していただくことは、納得して予防に取り組むうえで大きな意味を持つと考えています。


個々のお口の状態に応じた定期検診スケジュールの設定


通院の間隔は、全員一律である必要はありません。唾液の状態、これまでの治療歴、食習慣、歯並び。これらを踏まえ、3ヶ月ごとが向いている方もいれば、半年ごとで管理できる方もいます。大切なのは、ご自身のリスクに合った間隔を知り、それを継続することです。


当院は定期管理型の歯科医院として、予防・メンテナンスを診療の土台に置いています。丁寧に検査したうえで一人ひとりに合わせた診療計画を立て、ご説明する方針です。院長の藤本も「予防を診療の土台とし、治療後も再発のリスクを抑えるサポートを続けること」を大切にしています。堺東駅西口から徒歩2分。土曜診療や託児サービス(予約制)、キッズスペース付きの個室診療室もご用意していますので、お仕事や子育てでお忙しい方もご相談ください。


よくある質問


Q1. むし歯になりやすい人が多いのはなぜでしょうか?


A. むし歯は、細菌・糖分・歯の質・時間という複数の条件が重なって生じると考えられています。歯磨きは細菌への対策の一部にすぎず、唾液の量や飲食の回数、歯並びといった要素までは補えません。そのため「磨いているのに繰り返す」という状況が起こりやすくなります。ご自身のリスク要因を把握することが、対策の出発点です。


Q2. むし歯が多くできてしまう方には、どんな共通点がありますか?


A. 間食や甘い飲みものの回数が多い、口が乾きやすい、歯の重なりが強く清掃が難しい、治療済みの歯が多い——こうした要素が重なっているケースが見られます。一つひとつは小さくても、積み重なると環境として不利になることがあります。どの要因が影響しているかは口腔内の状態によって異なるため、歯科医院での確認をおすすめします。


Q3. むし歯になりにくい方には、どのような特徴がありますか?


A. 唾液の分泌が十分で口の中が乾きにくい、飲食の回数が整理されている、歯と歯の間の清掃が習慣化している、定期的に歯科医院で管理を受けている、といった傾向が挙げられます。ただし「なりにくい体質だから大丈夫」と言い切れるものではなく、生活の変化やライフステージによってリスクは変動すると考えられています。


Q4. むし歯のなりやすさは遺伝しますか?


A. 歯の形や唾液の性質といった体質的な要素には個人差がありますが、それ以上に影響が大きいのは家族で共有する食習慣や生活リズムと考えられています。つまり、ご家族で一緒にケアの習慣を見直すことが、お子様のお口を守る現実的な方法のひとつになります。


Q5. 自分のむし歯リスクを詳しく調べる方法はありますか?


A. 唾液の量や緩衝能などを調べる検査を実施している歯科医院もあります。費用や実施の可否は医院により異なりますので、ご相談ください。検査を行わない場合でも、これまでの治療歴、食習慣の聞き取り、口腔内の診査を組み合わせることで、ある程度の傾向は把握できます。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

3. 日本齲蝕学会 https://www.jacd.jp/

4. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/


藤本 直志

歯科医師


医療法人ふじもと歯科

院長

藤本 直志

▶ 監修者プロフィール

経歴
1995年 大阪府立天王寺高等学校 卒業
2002年 朝日大学歯学部 卒業
岐阜県 各務歯科 勤務
大阪府 石橋歯科医院 勤務
2015年 ふじもと歯科 開業
2022年 医療法人 ふじもと歯科へ法人化
資格・所属学会
日本歯科医師会
大阪府歯科医師会
堺歯科医師会
日本矯正デジタル歯科学会
日本歯科医学会
国際歯周内科学研究会
国際食育士協会 歯科食育士